愛とは何でしょう?
愛とは何でしょう?
愛には、基本的に4つの種類があります。ここでは、私たちにとって最もポピュラーな種類の愛から取りあげていきましょう。世界中の人々が知っていて、ほとんどの人が夢中になる愛。ロマンチックな愛、恋愛と呼ばれるもので、ギリシャ語では「エロス」と言います。
(1)エロス
この愛には、3つの段階があります。この愛の中枢は脳にあるようです。
欲(ギリシャ語ではepithumia)―これは願望という意味ですが、良い願望をも意味しますが、通常、悪い願望を意味します。病んだ魂から生じるからです(病んだ魂とは、傷ついて苦しんでいる魂のこと)。この願望には、セックスへの渇望も含まれています。みだらなセックスにはアヘンと似た作用があります。体内の化学物質が変化し、セロトニン、オキシトシン、バソプレシン、内生オピオイド(脳で自然に作り出されるヘロイン同様の物質)などのホルモンの分泌が増加します。肉体をリラックスさせ、快感と満足を誘発する働きがあり、また同じ快感を得たいと思うようになります。
情熱(ロマンス、恋愛)という愛がありますが、特定の対象があるというだけで、じつはこれも欲が洗練されたものにすぎません。ドーパミンと呼ばれる脳内ホルモンは、強力な興奮剤であり、このホルモンが恋愛感情に作用していると考えられています。もしあなたが恋愛中であるなら、あなたの脳内でドーパミンが盛んに分泌されているのです。
恋に落ちると何が起こるか?
まず、特定の誰かが「特別な意味」を持つ存在になってきます。この特別な人に自分の注意のすべてを注ぐようになります。その人の言動は、どんな小さなことでも忘れられなくなります。うまくいっている時には最高の気分で、心は高揚し、強い幸福感に満たされますが、逆に、うまくいかなくなると、絶望感に襲われます。心は揺れ動き、それがあまりにも大きなエネルギーなので、眠れないこともたびたびです。
しかし、最も重要なのは、この人物のことを考えないではいられないことです。この愛する人と感情的に結びつくことを渇望します。愛する人とベッドをともにしたいと願うのは自然なことかもしれませんが、愛する人が他の異性と一緒にいると考えただけでも嫉妬してしまいます。でも、セックスよりもほしいのは、愛する人が自分の愛情に応えてくれることでしょう。電話、メール、デートなど、どんな形であれ、自分の情熱に相手が応えてくれることを願っているのです。友人や家族が、長続きしない相手ではないかと心配しても、ドーパミンの働きは、それをはねのけるほど強力なのです。
恋愛は衝動です。食欲のように強力な本能的要求なのです。恋愛がひとたび燃え上がったなら、この地球上にかなうものはありません。恋愛は素晴らしいものかもしれませんが、変わりやすく不安定なので、共に子育てをしていく生涯のパートナーを恋愛だけに基づいて選ぶのは良いとは言えません。
しかし、このエロスという愛もやがて長期的な愛情に行き着きます。この愛情によって結ばれた両親は、協力して子育てをしていきます。フィッシャー博士いわく、この段階の特徴は、穏やかさ、安全性、社会的な満足、感情的な一致です。
この種の愛の危険性
これら3つのシステムはそれぞれ別のものなので、これらが同時に機能した時には危険な結果を生むことがあります。つまり、長年連れ添った配偶者に深い愛情を感じながら、他の誰かに恋愛感情を抱き、さらにまったく別の人にセックスの衝動(欲)を覚えることがあるのです。この3つのシステムの独立性が意味するところは、2人以上の人を同時に愛することが可能だということです。嫉妬、不倫、離婚、乱交、一夫多妻(多夫一妻)に発展する可能性があるということです。
恋愛における選択によって決まること
人は育つ過程で魅力的と感じたものをつなぎ合わせて「愛の地図」を描く、と研究者らは考えています。この内なるスコアカードによって、相手が自分にふさわしい人かどうかを評価します。経験が恋愛における選択を決定していくのです。
母親のユーモアのセンス、父親の政治や音楽への興味、周囲の人々が名誉、正義、貞節、礼儀などについてどのような見解を持っているか等々、無数の細かい事柄が、私たちの興味や価値観、信念を作り上げています。十代になる頃までには、理想のパートナー像が出来上がっているのです。この「愛の地図」に合致する人に出会うと、相手への働きかけが始まります。その過程で、恋愛関連の脳内化学物質が大量に分泌され、まっさかさまに恋に落ちてしまうのです。
この他にも、どんな相手と恋に落ちるかに影響を与える事柄がたくさんあります。たとえばタイミングです。人は準備ができている時に恋に落ちる傾向があります。特にひとりで淋しい時などです。
物理的な近さも重要です。いつも近くにいて交流のある人を好きになるものです。
民族・社会・宗教・教育・経済の点で共通の背景を持つ人、ルックス的に似ている人、知性的なレベルが近い人、態度・目標・価値観・興味がよく似ている人を好きになる場合がほとんどです。私たちは、自分に似ている人に強く惹かれるのです。
このエロスという愛は、どんなにすばらしいものであっても、環境や遺伝的な要素に影響された化学作用以上のものではないのかもしれません。
長い結婚生活の中でどうやって恋愛関係を保つか
目新しいことを一緒にしてみましょう。斬新さは、ドーパミン(恋愛中に多く分泌される神経伝達物質)の分泌を増やします。もし、二人ともセックスが好きなら、その関係を大切にしていきましょう。
恋愛の傷から自由になるためには
恋愛は中毒のようなものです。忘れたい人がいるなら、まずその人からもらった手紙やカードを全部捨ててしまいましょう。電話をしたり、手紙を書いたり、メールをしたりしないでください。ばったり会ってしまいそうな場所にも行かないことです。仲のよい友だちや新しい友だちと新しいことをして、いつも忙しくしていてください。エクササイズをするのもよいでしょう。
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